キーパーが前に出るのはどれくらい効果的か

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ノイアーが前に飛び出す
 ノイアーが前に飛び出す動画が話題になっていた。クラブ・ワールドカップでのバイエルン・ミュンヘンの時にノイアーが裏へのパスをことごとくカットしていたのが印象に残っている。今回のワールドカップでも、ノイアーが飛び出すことでチャンスを潰す場面が何度も見られた。裏へのパスが通ったなと思ったらノイアーが画面に突然現れてカットするという場面に度々遭遇する。

 キーパーが高い位置にいる利点
 キーパーがスイーパー的な位置にいると、オフサイドラインが高くなって裏のスペースが狭くなってしまう。そのために裏へのパスの成功確率が下がってしまう。裏へのパスはキーパーの方向に向かって転がっていくので、裏へ走り抜ける人の足が速くても、キーパーが本気で飛び出せばキーパーのほうが先にボールに追いつき有利である。

 キーパーがどの位置にいるべきなのかというのはあまり考えられていないように感じている。自分がキーパーをやるときはかなり前に飛び出すタイプだったので、どこまで飛び出したらいいのかということは考えていた。あまり前に出ないタイプのキーパーだとペナルティーエリアから出ない人も居たり。パス回しに参加せず、バックパスされたボールを大きく蹴りだすだけのキーパーも居たりする。 逆に、フィールドプレーヤーのようにパス回しに参加するキーパーもいる。日本ではパス回しに積極的に参加するそういうキーパーはあまり見かけないのかもしれません。
 
 キーパーのトレーニングはキーパー以外の選手とは別に組まれることもあってパス練習に参加しないということもある。その場合はキーパーがパスをしてボールを組み立てるという戦術をとれなくなる。トレーニング自体にチームとしての戦術が考えられている。パス回しに参加するキーパーはそういう練習をしてきたキーパーでないとなかなかできない。
 
 日本代表でキーパーが飛び出すと批判される

 日本対ベルギーで川島永嗣が裏へのパスをカットしようとして飛び出すと躱されたというのがあった。それで批判する人はいるけれど、ノイアーだともっと前に出ている。それにあれは躱されたことが失点につながったのではなかった。ノイアーのようなことをやろうとして失敗するとこういうことが起こったりする。

 日本対コロンビアでのコロンビアの3点目や4点目の時にノイアーのように飛び出していたら失点を防げたかどうかというのを考えてみたいと思う。

 
コロンビアの3点目での裏へのパス。

 裏へのパスへの距離としてはキーパーが一番近かったように思うが、シュートに対するセービングも考えないといけなかったと思うので一概に、飛び出すことが星界だとはいえない。
10-1 

コロンビアの4点目 の裏へのパス
12-1 

 高い位置でボールを回すということは裏に大きいスペースが作ることになり裏のスペースを狙われてしまう。そのためにそのスペースをキーパーで埋めるという戦術をとったのがドイツだった。キーパーが飛び出さずに失点をしてもDFが悪かったという理由になりキーパーの責任は問われることはないだろうと。けれど、キーパーが飛び出してボールをカットした場合、その後の展開は存在しないのでチャンスそのものが無くなる。